好意同乗に関する判例の研究
-別冊第IX号-


収録判例サンプル1

神戸地方裁判所 平成3年9月12日判決
                    (交民集24巻5号1035頁)
事案の概要
 運転者(女性)と同乗者(男性)は、同乗者の車両で白馬方面 に2泊3日のドライブに出かけ交替で運転していた。同乗者は助手席のシートを倒して横になっていたが、運転者が時速約120km(制限時速80km)で走行してハンドル操作を適切にできなくなり、中央分離帯に接近し衝突しそうになったため、同乗者が助手席からハンドルをつかみ左に転把して左ガードレールに衝突した。

判決の要旨(70%減額)
 事故車が中央分離帯に急接近した際に、助手席から手をのばしてハンドルを左に転把し自動車を逸走させた同乗者の過失は大きい。同乗者は、運転者が高速道路での運転が初めてであることを知りながら、時速120kmの高速で運転させ、自分は漫然とシートに横になるという危険を冒していたもので、相応の好意同乗減額をせざるをえない。過失相殺による減額と好意同乗による減額を総合し、70%の減額をする。

コメント
同乗者が助手席からハンドルに手を出してこれを操作したのであるから、その時は同乗者自身も運転者であり、基本的には自損事故とみるべきものである。ただ、そのきっかけは本来の運転者の運転不適切行為によるので、その範囲で運転者が責任を負うことになる。

キーワード
○当事者の関係 交際中の男女
○同乗目的 ドライブ旅行(2泊3日)
○危険要素 危険運転関与
○その他 同乗者の保有車両

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